「にっぽん全国たのしい船旅」ブログのアクセス10万ヒットを祝して、始まった「にっぽんの船旅10選」くまたかがセレクトするのは東京と徳島・北九州をつなぐオーシャン東九フェリーです。
飛行機一筋だった私 くまたか が、船旅を始めるきっかけとなった航路です。
まさに、この航路に乗っていなければ今こうして「たの船」に記事を書いていることはなかったかもしれません(笑)
かつて、関東と九州を結ぶ航路は川崎~宮崎や久里浜~大分など、ほかにもたくさんありましたが、現在関東と九州を結ぶ航路は、オーシャン東九フェリーの東京-徳島-北九州航路と私が「たの船2012-2013」で取材した、マルエーフェリーの東京-志布志-名瀬-那覇航路の2つとなってしまいました。
オーシャン東九フェリーは東京を夕方に出発して翌日の午後に徳島着、翌々日の早朝に北九州新門司港に到着する、およそ34時間の船旅です。
この航路にはカジュアルフェリーの「おーしゃん のーす」「おーしゃん さうす」とスタンダードフェリーの「おーしゃん いーすと」「おーしゃん うえすと」の4姉妹が就航しています。
おーしゃん のーす
おーしゃん さうす
おーしゃん いーすと
おーしゃん うえすと前回、「スイートルームの悦楽」担当の徳光氏が紹介した豪華なクルーズフェリーとは一転、この4姉妹は合理化されたカジュアルなフェリーです。
まず特徴的なのは、4船ともレストランの設備はなく、レストランの代わりに「フードスクエア」と呼ばれるフリースペースにて、自動販売機スタイルで食事が提供されます。
一般的な長距離フェリーでは、レストランや売店の営業時間が限られていますが、この船では24時間気兼ねすることなく利用することができます。
自動販売機の内容も充実しており、カップ麺だけではなく、冷凍食品のバリエーションも豊富、お菓子や飲み物まで様々です。
私が取材していた当時は、カジュアルフェリーには日本で唯一のお寿司の自動販売機が設置されており、これが航海の楽しみの一つでした。

自動販売機で購入すると、中から真空パックで冷凍されたお寿司が出てきます。

これを専用の電子レンジでチンすると、立派な生寿司のできあがりです。

カジュアルフェリーはすべて2等寝台のモノクラス。カーテンで仕切られる2段ベッドが並ぶ客室ですが「オーシャンホール」「スカイルーム」「オーシャンプラザ」といった公室も充実しており、船内ではくつろぐスペースがたくさんあります。
お風呂もついていて24時間入浴することが可能でした。
まさに、それぞれのスタイルで自由に船旅を楽しむことができる、まさにカジュアルスタイルなフェリーなのです。
おーしゃん さうす・のーす のオーシャンプラザ私がこの航路を頻繁に利用していたのは、大学生の頃でしたので、船内では本を読んだり論文を書いたりしていました。
ほかの乗客の方々も本を読んだり、パソコンでDVDを見たり、絵を描いたり、みんながそれぞれのスタイルで船旅を楽しんでいる様子でした。
おーしゃん うえすとのフォワードサロン長距離航路で船旅をすると、ぽっかりと数十時間の空き時間ができるわけです。
地上にいるときには味わえない、この時間を有意義に楽しむのも船旅の醍醐味の一つだと思います。
この航路を乗っていたある日、印象的なエピソードがあります。
東京から北九州へ向かう便に乗船していたとき、ちょうど奄美大島付近に台風が接近していて、東京から西に向かうにつれて海況が悪化していく状況での航海でした。

出航した日の夜、ちょうど浦賀水道航路を航行しているあたりでお風呂に入ったときは、湯船になみなみとお湯が注がれていました。
しかし翌朝、潮岬手前あたりを航行中にお風呂にいってみると・・・。

お風呂の水が半分になっていました。しかも入浴中にもじゃぶじゃぶとこぼれていきます。
こんな貴重な体験をした航海もありました(笑)
おーしゃん いーすと のメインエントランス現在東京から九州へは新幹線や飛行機を利用すると数時間で到着してしまいますが、たまにはのんびり船旅をしてみるのはいかがでしょうか?
by くまたか